10月14日(金)、横浜市立港南台第二小学校(山手英樹校長)にリオパラリンピック柔道女子48Kg級日本代表の半谷静香(エイベックス・グループ・ホールディングス)が訪問。1年生から6年生まで約350人に向けて、選手になったきっかけや経験、趣味、視覚障害柔道での目標、視覚障害の世界の見え方などについて語った。
パラリンピック・柔道の半谷静香は、福島県いわき市出身の28歳。半谷は、視力0.05、視野角95パーセントで、見えにくいという視覚障害を持つ。中学の時に部活で柔道を始め、2012年ロンドンでパラリンピックで初めて日本代表となる。先月、世界一を目指しリオパラリンピックに出場したが、3位決定戦、ウクライナの選手に敗れて5位に終わった。
「目が悪く黒板の字が見えません。小中学の頃は運動が嫌い、運動会大嫌いな子でした!」と、スポーツ選手にしては意外なところから話に入る半谷。これなら、柔道やスポーツなんて興味ないと思っていた人たちも、うんうん、と、うなずいたことだろう。リオでの最後の試合の映像を見せると、生徒たちはパラリンピック女子柔道の激しい戦いに息をのんだ。
「柔道と視覚障害の柔道との違いは何でしょう?」と、会場の子供達に質問を投げ、違いを答えてもらったあと、また同じ映像を見る。同じ映像を2度使って、うまく視覚障害柔道への理解を促すことに成功した。
ーーどうして柔道を始めたのですか?という生徒の質問に、
「中学に入ると、部活動に入ることになっていて、いろいろ考えたところ、兄が柔道をやっているということで、私もできるかもしれないと始めました」と、きっかけは平凡だったと答える半谷。
じつは、体育の授業はあまり好きではなかったという。見えにくいことにより、陸上競技でハードルをやれば見えず、転んでしまい血を流す・・と、体育の授業が怪我の恐怖とつねにともにあったのだ。当時の半谷は「みんなと同じ普通が良い、目が見えないのは自分の集中力がないだけだ」と思っていたそうだ。
その後、理学療法士になるために大学へ行き、視覚障害者柔道に出会った。そこで、とりあえず理学療法士の夢は置いておき、今、半谷は、柔道48キロ級で世界一になることを目指している。
趣味は読書。本を読むというより、ポケットに入れて読み上げ機能で聞いている。スポーツはトライアスロンなどにも取り組み、今年春には山下公園(横浜市中区)で行われた横浜トライアスロンにも初出場し完走した。