9月17日(現地時間)競技10日目の朝。アクアティクスセンターで行われた予選で、鈴木孝幸は最後の出場種目となる男子100メートル自由形(S5)を泳ぎ11位(1:24.76)に終わった。決勝へは進むことができなかった。
2日前に自身が北京から保持していた50メートル平泳ぎ(S5)のワールドレコードが破られ、4位(49.96)、メダルもなかった。
「100メートル自由形はS5はしっかりと自分の泳ぎはできた。結果も欲しかった。やはり、50メートル平泳ぎSB3での負けは悔しい。レース直後はただショックだったが、時間が経って悔しさが増してきた。メダルのない帰国は初めてだ。大会を重ねるごとに、リカバリーがむずかしくなっているので、今回はもう少し時間をかけていくと思います」とレースを終えた感想とともに、今大会全般のレースについても話してくれ他。
パラリンピック水泳には障害の種類や程度により14のクラス分けがあり、分けられたクラスの中にも幅ができてしまう。
ーークラス分けが厳しいのではないか?という問いに、
「S4に近いS5でメダルを狙うのは難しくなってきたが、クラス分けについてはその中で頑張るしかない」と。
ーー日本を海外の競技環境のように改善できないのか?
「日本と海外の環境差についてはあるが、日本の中で水泳に関しては進んでいる。健常者のトップスイマーと同じようにできるようになってきたと感じる。それより、中国など見ていると、メンタルに勝気がある。それが日本にない。実際中国に練習を見に行っているわけではないが、クラスに人数が多く、彼らは生き残るためにやっているようだ。日本国内だとクラスに1人か2人しかいない。
自分自身でしっかりと、自分が置かれている環境を理解してやるしかなく、それを4年間続けるということは難しいけど、それができた人が最終的にファイナリストになれると思います」
ロンドン後、イギリスに拠点を置く鈴木は、北京パラリンピックを終えた中国で選手が活気づいているのを感じていた。