9月15日(現地時間)競技8日目、オリンピックテニス・センターコートで車いすテニス男子ダブルスの3位決定戦が行われた。
3位決定戦は、三木拓也(27歳・トヨタ自動車)・真田卓(31歳・フリー)ペア対国枝慎吾(32歳・ユニクロ)・斎田慎司(44歳・シグマクシス)ペアの日本人同士の対戦となった。
試合は両者気迫のこもった好ゲームに。三木・真田ペアは攻撃的なテニスを貫き、積極的に前へ出てボールを斎田に集める作戦をとったが、ベテランの斎田は終始落ち着いたプレーを見せた。国枝・斎田の堅実な守りの前に三木・真田がミスをする形が続き、6−3、6−4のセットポイント2−0で国枝・斎田ペアが勝利した。
試合後、両者の健闘に会場からは大きな拍手が沸き起こり、好ゲームの余韻を噛みしめるかのようにしばらく鳴り止むことがなかった。
今日の試合について真田は、「自分たちの攻撃的なテニスが守りのテニスに勝てなかったというのが現状ですね。ただ、僕らがミスするか決めるかというテニスだったので、面白いテニス、新しい時代のテニスができたのは僕らなんじゃないかなと思います」と振り返った。
三木は「点を取りきれなかったのが今日の試合の敗因で、そこははっきりしているので、今後につながる試合になったと思います。これから決勝を戦う2ペアも前に出て行く攻撃的なテニスをするので、自分たちもそこを目指しました。でも時間的にも足りなかったので、これからもっと試行錯誤していけば、必ず超えられる壁だと思います」と、今日の試合が今後につながることを強調した。
斎田にボールを集めたことについては、「国枝選手に集めるのはやはりリスクがあると思いました。でも今回のセンターコートのように広い会場では、斎田選手のチェアワークやボールのスピンがいきる場所なので、すごくやりづらかったです」と、会場の条件も国枝・斎田ペアに有利に働いたと話した。
一方、勝利した斎田は「なかなか調子が上がらない不安のなか迎えた大会で、どのようなプレーをすればいいのか自問自答するような毎日でした。今は勝ってホッとしていますが、本当に大変な毎日でした」と、プレッシャーから解放された安堵の表情を浮かべた。
ペアの国枝は「念願の金メダルではなかったんですけど、やはりメダルが有るか無いかは全然違いますね。自分にもプレッシャーをかけていたので。斎田さんがよく我慢してくれたので、展開的にはこっちペースかなと思っていました」と今日の試合を振り返った。試合内容については「守備的なプレーは実際のところやりたくないところもあるんですけど、パラリンピックは勝つか負けるかが大事なところがありますから、そこはある程度割り切ってプレーしました。それだけ勝ちたいというつもりが強かったです」とあくまで勝ちにこだわってプレーしたことを語った。
「まだまだ若いものにはやられんぞという思いもありました」そう国枝は言う。
三木・真田と国枝・真田がライバルとして競い合うことで、今後も日本のダブルスのレベルは上がっていきそうだ。