9月14日(現地時間)競技7日目、車いすテニス女子シングルスの3位決定戦が行われ、日本の上地結衣(22歳・エイベックス)が勝利。念願のパラリンピック初メダルを獲得した。
昨日行われた準決勝でオランダのアニク・ファンクートに敗れた世界ランキング2位の上地は、同じオランダの7位、ディエデ・デグルートと対戦した。
前回のロンドンパラリンピックではシングルス・ダブルスともにベスト8、昨日試合が終わったリオパラリンピックダブルスでは4位だった上地にとって、パラリンピック初メダルがかかった大事な試合となった。
上地は序盤こそ相手にリードを許したものの、終始落ち着いたプレーを見せて6−3、6−3のセットポイント2−0で勝利した。
試合後、「(相手は)パワーがあり、車いすの操作がすごく早い選手だったので、苦しめられるところも多かったです。デグルート選手はすごくためて打つので、ボールに勢いがあって、分かってるのにとれない状況もありました。でも、やってることは間違っていなかったと思います。今日のような試合を、どんな対戦相手でもできるようになればと思います」
と、苦しめながらも勝ち取った今日の勝利を噛み締めた。
今回の大会について聞かれると、「やっと終わった感じですね。昨日までホンマに、何セットやるんやろって思っていたので」と安堵の笑顔を見せた。上地は昨日、シングルスの準決勝とダブルスの3位決定戦を戦い、どちらもフルセットまでもつれ込んだすえ敗れている。シングルスは2時間40分にも及ぶ激闘だった。
「昨日の夜は泣いていました。正直、今も悔しい気持ちが嬉しさよりも大きいです。金メダルを取るつもりで試合に臨んでいたので。でも昨日ダブルスも負けてしまって、車いす女子の日本チームみんなの思いも背負って試合しました。もちろん試合は一人で戦うのですが、チームのみんなの思いや、応援してくださっている方々の思いが、一球一球に込められていたと思います」
上地はリオパラリンピックの開会式で旗手を務め、金メダル候補と周囲からの期待も大きかった。様々なプレッシャーの中で最後まで戦い抜いた結果得られた、嬉しいパラリンピック初メダルとなった。