雨の開会式。スティービー、強く、優しく響き渡る。 7日、19時30分。カウントダウンののち、いよいよ、2002ソルトレークパラリンピックが始まった。選手団が入場し、トーチが歴代のブラインド選手によってリレーされ、灯された。会場に、スティービーワンダーの唄声が響きわたり、会場は湧いた。しかし、天気予報が的中し、雨が降ってきた。 雨の量は半端ではない。オリンピックスタジアムの中は、水浸しとなった。 しかし、予測されていたことだったので、多くの人が、レインコートを用意していた。雨のおかげで、会場はさらに盛り上がっている感じがした。 最後には予定通り、花火も打ち上げられ、9時20分頃、予定通り開会式は終了した。 さて、明日、開戦である。(佐々木) ●それぞれの開会式。 その日のミーティングで、隈元は「スティービーワンダーが楽しみだったけど、会場に入ったとき、選手が入場する様子が飛び込んできて、それを見ていたら、もう胸がいっぱいになった。本筋を外していない感動的な開幕だった。スティービーワンダーへのつなぎがちょっと長かった気がするけど」と話した。パラフォト取材クルーは、それぞれ、最後の公式練習の取材後、式典に参加した。編集担当の佐々木・荒川は、プレスルームからケーブルテレビの中継を見ていた。 ○会場は、幻想的な雰囲気に包まれた。 会場の向こうにソルトレークの町並みまで見渡せたのは、6階のプレスシート。視線の先には、夜景と凛々しく聳え立つ山並が。そしてイベントを盛り上げる様々な光が会場を包み、氷の世界を温かく大きな空間へと演出している。競技では格闘の場となる白い氷が、ライトを浴び、幻想的な世界へといざなってくれる。氷の上に散りばめられた無数の小さい光の粒は観客席のペンライトと合体して、まるで空に浮かぶ星のよう。上からゆったりと下を覗くと、自分が空に浮いているかのような感覚に。(荒木美晴) ○スペインの名選手 パラリンピックの目指す、ボディ・マインド・スピリットをよくあらわしていたと思う。「ここまでやってきたんだ、僕たちに不可能はない。」そんな声がお腹のそこから聞こえてくるようなきがした。この開会式を見て、子供たちにもいっぱい夢をもってほしい、ということを感じました。 開会式の始まる前、3時くらいから会場へ。準備のシーンから見て、開会式を堪能した。(山口昌彦) ○現場で受けた感銘は計り知れない。 4年に一度の大会、映像では見たことのある開会式も、現場で受けた感銘は計り知れないものだった。 48,000人を収容する Rice-Eccles Olympic Stadium は時折り雨がぱらつく天候のなか、ほぼ満席。各国選手団の入場時からボルテージはすでに最高潮に達していた。どよめきと歓声の大きさが、この大会に対する人々の興味の深さを物語っていたとおもう。 聖火リレー、数組のミュージシャンをフューチャーしたパフォーマンスを楽しんだあと、満を持してスティービー・ワンダーが登場。みな彼の歌を待っていた様子で、一緒に口ずさんだり曲にあわせて踊ったりと、最後までテンションが下がることなく式は幕を閉じた。 先日まで行なわれていたオリンピックでの不祥事をふと思い出す。人々の心から決して消えることのない汚点。パラリンピックでそのようなことは起こらないでほしい。開会式に集まった観客のために、注目している世界中の視聴者のために、そして誰よりも選手のために。その意味でなら、オリンピックと別物で一向に構わない。(隈元大吾) |