9月21日 (21:08) |
●Paraphoto Articleこの「あと3秒」「あと30cm」を忘れるななごやん |
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快調にゴールを決めていく #4 島川 2Q も日本は全くメンバーを変えず、スタートからずっと同じセットで戦っている。いきなり、ターンオーバー、ペナルティーを奪って、徐々に日本がリードを広げ始める。2Q 残り5分で 17-14 でリード。 日本ベンチ側のエンドに詰めかけた応援席も、「やるじゃないか!いけるいける!!」と、日の丸を振り回して俄然盛り上がる。あまりの盛り上がりに、ギリシャのボランティアたちも応援に加わってくれる。そして、目の前の日本のゴールライン・ディフェンスで、ゴールに入りかかった相手選手へのパスを #4 島川が強烈にカット! そして日本ボール! さらに盛り上がる! #5 荻野、#8 三阪の献身的なブロックなどで効果的な前へのパスが重なり、オフェンスはとてもうまくいっている。心配していたタイミングの合ってきているようだ。ディフェンスも当たり負けしていないし、相手のバックピックもうまくかわしている。 オーストラリアも、残り3分で #1 Hucks を入れ、なんとか流れを取り戻そうとするが、22-18 と4点にリードを広げて前半を終わった時点で、「これは勝てる!!」と確信した。 #9 田村のビューティフルゴール 3Q も、ローポインターで長い時間使えない #5 荻野を #1 高橋に変えただけで、ほぼ同じ布陣で臨む。オーストラリアのエース #1 Hucks が奮闘して、一人で続けざまにゴールを奪っていくが、日本もミス無くゴールを重ね、点差を詰めさせられない。相手のペナルティーでのパワープレーも、冷静に時間をかけて得点し、最後のハーフコート・オフェンスも、残り2秒で #9 田村がゴール右隅に飛び込み、34-30 と4点差をキープする。 勝負のヤマは最終 4Q にやってきた。 #6 Dubberley が #4 島川の強烈なタックルの
寸前に同点のパスを出す 土壇場の勝ち越し点を奪いに、
残り14秒からコートサイドを駆け抜ける #4 島川 #9 田村のサヨナラゴールは、無念のノーゴールの判定・・・ 3分間の延長は #6 室橋、#7 伊藤、#5 荻野、#8 三阪というメンバーで臨む。高さのあるオーストラリアに、オープニングティップを制され、開始10秒で 46-47 とオーストラリアが勝ち越されてしまう。すぐに、#7 伊藤と #6 室橋に変えて、#4 島川、#9 田村を入れる。 ここでオーストラリアにテクニカルファウル。さらにこのセットでのエースの #6 Dubberley が反則で、2人がペナルティーボックスに入った。4人対2人の日本の絶対的なパワープレーになる。 日本はあわてず、相手がペナルティーボックスに入っている時間を使い切る作戦に出る。 4人対4人に戻ってから、残り 1:11 で島川が視力のゴールを決め、47-47 の同点! しかし、ゴール前の混戦から、いいパスが #8 Alman に出て、すぐにオーストラリアが勝ち越し。残り 44秒。 ここでどうするか。#9 田村のホイールがはずれて、しばらくタイムアウトのような時間があり、メンバーが策を練る。 すぐにゴールを取りに行くと、オーストラリアに、ボールと勝ち越しのゴールを取る時間を与えてしまう。日本は時間をかけて、同点ゴールを取りにいった。 オーストラリアはゴールラインをがっちり固めに来る。#4 島川がボールを持って走り回る。時間は無くなっていく。20秒、15秒、10秒・・・ゴール左隅に、#4 島川がわずかなスペースを見つけて突っ込む。マークするディフェンダーはブロックされていない。 残り3秒! ゴールラインまであと30cm!! 突っ込め!!! ・・・しかしターンオーバー・・・呆然と天を仰ぐ #4 島川。 強豪オーストラリアを、土壇場まで追いつめた。あと 3秒、あと 30cm先にあった勝利。 初出場の日本にとって、大きすぎる勝利が、するりと手からこぼれ落ちた瞬間だった。 4人対2人の土壇場のパワープレー。時間を使う選択。
延長残り 20秒過ぎ、同点のゴールを狙う #4 島川
延長残り3秒、あと 30cmとどかず、
ターンオーバーの判定に天を仰ぐ #4 島川 挨拶する日本チームに、応援団から「ありがとう!よくやった!」と歓声が飛ぶ。 「悔しいね・・・ほんと悔しい!! 4Q最後のゴールは、ほんとに決めたかった・・・延長に入ったら、高さのあるオーストラリアに苦戦するのはわかってたので・・・。彼の涙を見て、自分も目が潤んで、彼の顔がゆがんで見えてきた。強い気持ちで、次に臨んでくれるだろう。 次に、ブロックにパス、ゴールと踏ん張った #8 三阪。 「こっちに来てから持ち点の変更があって、短い練習時間、そしてみんなで考えて、で四苦八苦しながらこのライン(メンバーのセット)を出し、悩みながら必死に練習した。追いつめたが、もう一歩だった。練習不足だとは思ってない。やるべきことはやった。負けはしたが、本当に悩み抜いた末に掴んだこの手応え。そしてニュージーランド戦にかける強い想い。明日はやってくれるだろう。 26点を挙げ気を吐いた #4 島川。あと一歩のところで同点ゴールを決められなかった。 「すっごい悔しいです。リードしてた時間は長かったけど、一瞬のミスで同点にされてしまった。絶対勝つつもりだったから、本当に悔しい。大きな悔しさと、激しい闘志を胸に秘めて、落ち着いて語ってくれた #4 島川。クールな目の中にも、強い光が見えた。 持ち点審査のかねあいで、今日は出られなかった #11 仲里も、 「惜しかった。ベンチからも盛り上げたが、後一歩だった。ニュージーランド戦では出られると思うので、死ぬ気でがんばる」と、力強い言葉を残して、ロッカーに消えていった。 最後に、塩沢康雄監督に話を聞いた。 「キャプテンの #3 福井が出られなくなってしまったので、最初に考えていた #7 伊藤中心のラインが使えなくなり、#4 島川中心のラインで行くことに決めた。負けは負けだ。だが、大きな試練を乗り越えて、掴んだものも大きい。 この「あと3秒」「あと30cm」を、一生忘れることは無いだろう。 ニュージーランド戦では、この悔しさと、大きな自信を胸に、きっとやってくれる。 絶対勝つ! ニュージーランド戦に激しい闘志をのぞかせる #8 三阪
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2004
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