昨夜、開会式も無事に終わり、いよいよ世界選手権の開幕となりました。本日(31日)は、最初の種目であるダウンヒル競技が行なわれました。
そして、日本チームにとって最初のメダリストが誕生しました。女子チェアの青木辰子選手(LW10)が、「銀メダル」獲得です。
緩斜面と急斜面が複雑に混じり合い、しかもそれがまたねじれていたり、細かい波まであったりと、非常に難易度の高いヴィルシュナウのダウンヒルコース。さらに今日は、昨日までトレーニングで使ってきた影響からか、レース前からすでに荒れぎみでした。一段と厳しさを増したコースに叩かれ、飛ばされて、タイムをロスしたり転倒する選手が相次ぎました。
この難コースに、青木選手のスキーも宙に浮く場面がありましたが、瞬時の見事な対応で危なげなく処理。スムーズなターンでスピードに乗り、トップのタイムでゴールしました。その後、アメリカのレイシー・ヘイワード選手(LW11)に抜かれたものの、2位の座を守りきり、銀メダルに輝きました。
昨日のトレーニングで1位だった大日方邦子選手(LW12/2)は、序盤を快調に飛ばしながら、中間の急斜面入り口で転倒。東海将彦選手(LW3/2)も、ゴール直前で転倒し、確実かと思われたメダルを逃してしまいました。そんな中で、最年少(中学3年生・15歳)の鈴木猛史選手(LW12/2)が、メダルまであと一歩の4位に入る健闘を見せたことが、もうひとつの明るい話題といえます。
なお、昨日のメールでお伝えしたLW10とLW3+LW5/7+LW9クラスのエキジビション化は、レース直前に撤回されました。実際、今日も2クラスとも正規の表彰の対象となったことをお伝えしておきます。明日以降のレースでも、この決定がふたたび変更されることはないと思われます。
明日のレースはスーパーG。日本選手の活躍にご期待ください。
青木選手のコメント
「滑りはボロボロでした。バーンがバンピー(跳ねやすい)だったので、叩かれて落とされて、もう必死でした。(身体が)引けたらもうおしまいだと思ったので、(スキーの)上にだけ乗ろうと、それだけを考えて滑りました。とりあえず結果が遺ったので、まあ今日はこんなものかな、と。滑りはもうちょっと行きたかったんですけれど、あのバンピーなコースとかを考えたりすると、こんなものかなと思っています。」
伴一彦チーフコーチのコメント
「もうちょっとタイトに来れたかなとは思うんですけれど、むずかしいコースを攻略してくれたので、明日以降につながると思います。ナイスランでした。」
「チーム全体としては、前のワールドカップの成績からいって、もう少しメダルをとりたかったという気持ちもありますが、あまりトレーニングをしていない種目でしっかりとメダルをとれたのでよかったと思います」
写真・上、銀メダルを獲得した青木選手
写真・2番目、表彰式を終え、銀メダルを手にする青木選手)
写真・右、日本男子で最高の4位に入った鈴木選手→
【堀切】