日本チームの弱点
ビニャード氏は、日本チームはスピードはあるが、逆にそのスピードに頼りすぎることが多いと見る。もっと選手間の連携を持って、相手の裏をかくようなプレーをできるようになることを課題の1つと挙げている。
そのポイントとして、試合形式の練習の合間に何度も「声を出して指示を出しあえ」と選手たちに伝えていた。
ウィルチェアーラグビーの参加国は欧米各国が主流で英語を使う国が多く、英語が母国語じゃない日本は不利なようだけれども、ビニャード氏から見れば、逆に日本は堂々と試合中日本語で指示を出しても相手がわからないのだから、もっと具体的に指示しあえることも、チームプレーにおいては有利になる。
そうした「不利」さえも「有利」に転換し勝ちに結びつける、ポジティブで攻めの発想が、勝敗を分ける一瞬に大きく影響するのかもしれない。
勝ちに執着する姿勢
今回のクリニックを通じて、徹底して「勝ち」にいこうと考えるビニャード氏の姿勢は、オリンピックやパラリンピックに参加することの意義だけではなく、「勝つこと」を求められる厳しい大会であることを物語っている。
【取材 角田麻子】
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