パラフォト初登場スポーツ、車椅子のラグビー「ウィルチェアーラグビー」を体験しに、3月6日(土)埼玉県立大体育館にて行われた、埼玉を拠点に活動をしているウィルチェアーラグビーチーム「ジェネシス(http://www1.ocn.ne.jp/~bop/」)の練習にお邪魔してきました。
まず簡単にウィルチェアーラグビーとは。
1チーム選手は4人。選手は障害のレベルに合わせてそれぞれ0.5〜3.5点まで7段階の持ち点があり、競技中のコート上の選手の持ち点の合計は8.0点以内と決められています。
コートはバスケットボールのコートを使用して行われ、ボールはバレーボール球を使用。車椅子はウィルチェアーラグビー専用車があり、主に守備用の相手の車いすを止めるためのバンパーがついたものと、攻撃用の選手が乗る、相手の車椅子から逃れるためのウィングが取り付けられているものの2種類。
ボール運びは、投げても手で打ってもドリブルやパスでも、蹴ること以外はなんでもOK。それで車椅子で相手に体当たりして相手にタックルしながら、点を取り合うスポーツです。
実際、初めて乗った競技用車椅子は、その回転性のよさに改めて驚きました。
回転性がいいということは、ちょっと動かしただけでもくるくる回るというわけで、車椅子の操作技術もプレーにおいてはかなり重要であるという、超基本的な事実を学習。
次にウィルチェアーラグビーの醍醐味である、車椅子でのタックルとはどんなもんぞやと、「まあ試しに遠慮しないで全力でぶつかってみてください」という言葉に、体育会系スポ根嬢の私としては待ってましたとばかりに勢いをつけてぶつかったつもりが、ぶつけられた相手のジェネシス岸さんは涼しい顔。
「じゃあ今度、ぶつかられるとどんなかっていうの、やってみます? あ、もちろんかなり手加減しますんで」とのジェネシス橋本さんの言葉に、「くるなら来い!」と腹をくくってみたものの、車椅子にはバンパーとかがあるので、自分の体に直接ぶつからないとわかっていても、正面から車椅子が速度を落とさず自分に向かってくるのが、まず怖い。
で、かなり手加減していただいたはずのぶつけられたその衝撃は、実際の体にはぶつかってないのに、腹の底に響くのを通りこして、その勢いで気管支が押しつぶされたようにむせ返ってしまったほどの強さ。
これを試合中は動きながら、前から後ろから横からとぶつかられるわけで、試合中はその車椅子同士のぶつかる「ガシャーン」という音が絶え間なく響き、タイヤのパンクも「またか」と日常茶飯事という、文字通り体当たりな、激しいスポーツです。
実際、遊びとしてやった試合に参加させてもらいましたが、当然ど初心者の私としてはムキになってやってみたところで、ディフェンスではフェイントでひょいとかわされて抜かれれば、もう何もできずじまい。「ぶつかりゃーいい」と思っていたタックルも、相手の動きに追いついてこそできるものであるんですね…(当たり前ですが)。
それでも、一直線に前に走るしか能のない私にパスを繰り出していただき、初ゴールをゲット! あの出し抜いた感じというか、かいくぐった感じというか(本当はそこまでのプレーはしてないけど)は、なんというか、気持ちいい!!
現在ウィルチェアーラグビーは、アテネパラリンピック参加を目指して日本代表の練習や、海外からコーチを招聘したクリニックなども開催。
本来出場資格のないランキング外のギリシャチームが、パラリンピックのホスト国というだけで出場させるかどうかが検討されており、それによって最後の1枠に滑り込んだはずの日本チームのパラリンピック参加がどうなるかは今月中旬に確定するとのこと。
ぜひ出場して、まだまだ日本では知名度の低いウィルチェアーラグビーの迫力と楽しさを、みんなにも知ってほしいなーという思いとともに、たった十数分のウィルチェアーラグビー体験で腕がパンパンになってるくせに、すでに勝手に「次こそは!」と思っている私でした。
【取材 角田麻子】