2004年、首都圏に初めて雪の降った1月17日(日)、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城という、関東エリア1都4県の車いすテニス対抗交流戦「Wheelchair Tennis Tournament 2004」が、横浜国際プール・メインアリーナにて開催された。
今年で4回目というこの大会は、過去2日間の日程で行われてきたのが、今年は会場の都合で1日だけの開催となり、参加各都県の車いすテニス協会から派遣された選手計5名で、シングル1つ、ダブルス2つの試合を1都4県の総当りで戦い勝敗を決める大会となった。
出場者の顔ぶれは各チームさまざま。
この大会は、JWTA(日本車いすテニス協会)ランキングのポイントとは関係のない大会だが、JWTAランキング12位(※)の山倉選手(千葉県)といったランキング上位者から、これから上達を目指す選手、手にも障害を持つためラケットをテーピングで固定してのプレースタイルの選手など、1チーム5名の中でそれぞれのレベルをかんがみて、うまくローテーションでメンバーを組みながら、チームとして試合にのぞんだ。
大会全般としては、ときには笑いも起こるわきあいあいとした雰囲気で行われたが、ラリーの続く緊迫した試合や、息のあったコンビネーションのダブルスの試合などはやはり目がくぎづけ。
その中でもやはり群を抜いて技術とスピードのある山倉選手のプレーは、ラケットテクニックもさることながら、あらかじめ自分の打つ球の返球を予測したダッシュなど、1歩目の踏み出しの速さといった車椅子操作も圧巻で、他の選手たちも彼のプレーを食い入るように見つめ、試合後アドバイスを貰うなど、ランキング上位者とのゲームはかなり大会参加選手の刺激となったに違いない。
今大会主催の神奈川県車いすテニス協会の岡村さんはこの大会の位置づけとして、「選手が経験を積む場となれば」と話す。
車いすテニスの大会としては、国内には個人戦の大会はあるもののチームで戦うチームカップがない。都道府県代表として行うチーム戦のメリットとして、普段はばらばらに練習している人ともメンバーを組んでさまざまな相手と対戦できるため、いろんなゲームを経験し、いろんな人のプレーを見られることは、上達にはかかせない。
また、通常大きな大会は開催期間が4日間のことが多く、仕事の関係上長い休みが取れない人などもこの大会は参加しやすいのではと、岡村さん自身が選手として各地の大会を参加した経験を活かしつつ、すでに来年は3月に会場を確保済み。
参加した選手たちがこの1年でそれぞれレベルアップして、また次大会で戦ってほしい。
【取材:角田麻子】
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