「目と指で見るパラスポーツ写真交流」挑戦の目的について
「目と指で見るパラスポーツ写真交流」は、見えない人も、ごく自然に写真鑑賞を楽しむための挑戦のワークショップです。
パラスポーツを専門に撮影する写真家の皆さまからの作品に基づいて、カラープリントと、「触る写真」を準備しました。
「触る写真」は、「視覚障害の人と一緒に楽しむ写真教室」の活動を続ける写真家・尾崎大輔さんのご経験をもとに、触る部分を特定する作業と、立体出力をご協力いただきました。
写真家の皆さまには「多くの方と共有したいパラスポーツ写真」の一枚をセレクトいただきました。どの写真も美しく、異彩を放ちますが、その「美しさ」や「異彩」などを、視覚だけに頼らずに鑑賞する方法をさぐっていきます。
誰もがパラスポーツ写真を楽むための実証実験ですが、同時に、見える人の固定概念(写真=見るもの)を壊す試みでもあり、写真の新たな価値をみつけ、鑑賞の可能性を高めます。
「こういうものだから」ではなく、いろいろな方法も駆使して、見えない人々と気軽に楽しめるようにできればと思います。
パラフォトのこれまでの発信も大半が視覚情報メインで、全盲の被写体(=選手)から見たいといわれたら、もしくはそのパフォーマンスに憧れる視覚障害の人々に見せたい、という想いがあったとき・・どうするのか。反省もありますが、
そもそも、私たちはなぜパラスポーツ写真を展示してきたのか?そして、写真家は、なぜ有志で、国内外どこへでもパラスポーツの現地撮影にいき、写真で伝えるのか・・。
リオ2016パラリンピックで、音を写真にするジョアン・マイヤー(ブラジル)カメラマンがいたり、目となるガイドと撮影したり、視覚情報だけに頼らず撮影前の被写体研究に基づく準備と予測で撮影するなど、視覚によらない撮影活動も行われています。
「なぜ見えない人に(が)写真を伝えるのか?」を皆さまと考える機会としたい。
爾麗美術の空間は3年前からオーナーの鈴木正道さんが提供してくれ、パラスポーツ写真交流を開催してきました。横浜中華街にあり、毎年5月には横浜トライアスロン・パラトライアスロンの世界シリーズが山下公園で開催されるため、パラスポーツと中華街はとても近いところにあります。
中国を母国とされる地元の皆さまは今年(2022年)は世界最強の祖国のパラアスリートを堪能していただける、パラスポーツ観戦史上最高のチャンスです。
写真交流期間中の会場でお会いしましょう。
案内人(一緒に写真を拝見します)のほか、ギャラリー・オーナーの鈴木さんも皆さまをお迎え致します。中華街へのお食事のついでに、ぜひ視覚障害のある皆さまとお誘いあわせのうえお越しください。
<過去2回の展示>
2018年 パラスポーツ写真交流 in 横浜中華街 100点をこえるパラスポーツ報道写真展
2019年 パラスポーツ写真交流 13人の写真家による夏・冬のパラスポーツ写真30点とアイマスク体験(横浜市芸術文化振興財団ACY助成事業)
P1;インデックス
P2;ゴールボール/市川 亮
P3;アルペンスキー/堀切 功
P4;陸上/Women’ s 400m T11/安藤 理智
P5;ブラインドサッカー/中村 Manto 真人
P6;車いすラグビー/中村 Manto 真人
P7;水泳/Men’ s 50 m Freestyle S11 2004 WR Junichi Kawai/森田 和彦
P8;電動車椅子サッカー/内田和稔
P9;水泳/Men’ s 100 m Butterfly S11 March 2019 Uchu Tomita/吉村もと
P10;写真交流企画の概要
P11;挑戦の目的について
P12;案内人のためのガイド
P13;写真家プロフィール